暗闇に 沈む 沈む 沈む――


そこは 深く あまりにも深いところで空からの光さえ届かない場所
助け出そうと手を伸ばしても手探りで誰も救い出せない

沈む 沈む 沈む


苦しくてもがき苦しむも苦しいだけで死ねない…
助けを求めてもそこは暗すぎて、深すぎて誰も手を差し伸べてくれない
自分が何者でどんな存在なのかさえこの空間に居ると分からなくなる

 た す け て


聞こえるはずの無い声  助けを求める声が聞こえた
助けれるはずが無いと耳元で囁かれながらも 
必死に 必死に手を伸ばし続ける
見つかる筈も無いとどこか頭で考えているのに身体が必死に手を伸ばす

 あ と す こ し


暗闇で何も見えないはずなのに、光さえも届かないぐらいに深い場所なのに
ひとつの手が見えた まるで何かを探しているかのような…
あの手に縋ってみようかと思った でも でも…

 何 で 武 器 を 持 っ て い る の ?


  僕が必死に手を伸ばしている側で 武器をあの暗闇に向けている
周りを見渡すと手を伸ばして助け出そうとしているのは僕一人で
あとは手の変わりに武器を差し出して

 な ん で た す け て く れ な い の ?


あんなに上へ 光のあるところへ行きたかった筈なのに
皮肉な事にそこには自分の居場所など無いと 悟ってしまったから
居場所が無く惨めな思いをするならば
ここに居るほうがまだましだと思った だから

 コ ッ チ ニ 来 テ ヨ


手に何かが触れた 多分それは望んだ存在で愛しい存在で...
引き上げようと力をこめたのと同時に引っ張られ 僕は

 落 ち た


多分この手は引いてはいけない 分かってはいるけど…けど
引いてしまった だって一人より二人のほうがいいと思ってしまったから
それに愛しい人と一緒に居たいって言うのはおかしい事ではないと
理不尽な事を思いながら 愛しい人を巻き込んだ


沈む 沈む 沈む――

そして―  等は

        死 ん だ


最後に聞いたのは愛の言葉と光のある場所から聞こえた
罵倒の言葉







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